2009年5月31日日曜日

書くこと、読むこと


ミウラです。

麻美ちゃんに触発されて少し自分のことを書いてみたくなりました。現代美術の展覧会というフィールドで、私は初めてテキスト作品を制作し、展示します。


本業であるライターという仕事は、基本的に、クライアントがいて、取材対象が決まっていて、どんな情報が必要とされているかも予め決まっています。「意外性」が求められ、喜ばれる展開もありますがそれだって許容範囲の設けられている場合が多いものです。例えば、TVCMの撮影現場取材で「エピソード」の紹介をする際も「絶対こっちの方が面白いネタだなあ」と想ってもそうはいきません(笑)。私のなかだけに永遠にしまわれ続けるのかもしれないこともあります。

ただ、そうした制約のあるテキストでも、「どう書くか」によって書きたいことを書くことができると私は想っています。それが面白さのひとつであり責任だと感じるからです。


さて、話が「書く」ことから「読む」ことへ飛びます。

雑誌やブログ、携帯メールなど「読むテキスト」は様々ですが、特に本を読むというのはとてもプライベートで、より自主的な行為だと想います。今回は、そのことを考えて作品づくりに取り組んでいます。視覚的なアプローチを極力避けて、「本を読む」という日常に潜む個人的行為を、この会場で、書き手であり読み手である自分なりに考えて向きあってみたいと想っています。


書くことを仕事にしてから、より「書く」「読む」ことにストレートに向きあえるようになってきました。これはとても幸せなことだと感じます。




今日の収穫

Photo by Aya

安藤です

今日は真砂さんの機材を運びに教会の帰りに発寒南まで行きました。

真砂さんの機材をのせてさあ出発!

その時に真砂さんと私の作品用の布団の話になって、突然知り合いの布団屋さん二紹介していただく事に。

菊池邸に向かうはずが、発寒南の商店街の皆さんがバーベキューしているところに突然乱入。

紹介していただいて、古い布団譲ってもらう事になりました。

菊池邸との出会い、北大のレクチャー、今回の布団と、人との繋がりが作品に紡がれて行くのがわたしにとっては今回とても意味深いと一人で感じています。

やはり「結」なのです


壁と向かい合って座り続けること


小林です。

今回のこのプロジェクト、参加している私が言うのもなんですが…
と前置きさせて頂きまして、本音でつぶやかせていただきます。
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一番 経験も実績もない私が、点と点とを結ぶように、 実験を許してくれる人と場にめぐりあい、今日まできています。
話をする度に(良い意味で)火傷するような熱くグローバルなプロジェクトメンバーにまぎれて焦燥感で身体がねじれる。
越える山のふもとにおりた小林、ふんばりどころです。

絵の具に溺れるようなチャレンジをし続け「人間」に迫る安藤さんのめざましい深化を目にしつつ、
これまでの苦労や闘いを微塵も感じさせないスマートな真砂さんの立ち振る舞いに驚きつつ、
アヤさんからつむがれる言葉に、開けた人間性を感じて、これが愛か…とか思う。
家族自慢みたいですね、すみません。
こうして多ジャンルの人と一緒にやっていると、自分の選択してきた絵画という手法に対する愛情も再燃。
この強さをもっと深めて行きたい、強さの源はどこからやってきたのだろうか、と。
絵画というものの構造が、どうしてこんなに私を惹き付けているのか。知りたい。それから体験したい。
そんな風に思えています。


さて、今回チャレンジしていることは、壁に絵をかくことなんですが、
週末に会場に赴き、ただただ壁とむきあって座り続けています。
来週の公開制作期間に、どうなっているのか、未定も未定ですが、
私はライブドローイングのように観られていることを意識した制作はできないので、
地味…だとは思いますが、会場の熱気とせめぎあいを感じられるかも、と思います。


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たくさん吐露しました。
おつきあいありがとうございます。 次はもう少しライトにかけるように努めますので。
ご容赦下さい。写真は外からみた会場です。



壊される古い家の壁を塗ること

安藤です。

展覧会のDMや北大でのレクチャーの案内を出す段になって、はたと、今回菊池邸建設予定地で展覧会をする事になった自分なりの経緯と目的を明確にせねば...。という事に気づかされてメモ的に書いています。

この2年は「人が表現すること」と「自分の表現に死ぬこと」を自分に問いかけながら、1本の線を描くという行為を人にしてもらうような作品を作って来ました。

昨年の後半あたりからだんだん興味が「線を描く」ことから「塗る」という事に移行してきました。そして同時に、「役目が失われて行く場所、壊されて行く空間に塗りたくってみたい」という思いがわき上がってきました。

「ギャラリーでやるより私はそのような場所で今年はやらなくてはならない!」なぜかそれが今を生きる私に取って一番必要であり、かつ必然であるような気がしはじめてしまったわけです。

それがちょうど海外派遣でNYに旅立つ前。

その思いを暖めていたら、小林さんと「廃屋」というキーワードで意気投合して、旅立つ前に、出会った場所が使いたくなってがんばって2人でプレゼンしてみてあえなく沈没。

2人とも気張り過ぎて、相手に引かれてしまったというのが正しいかな。

しかし、その欲求はきえず....。

NYではその事ばかりグルグル考えて、その結果生まれたのが「Bed Project」です。


幸いな事にNYから帰って来たら、念願の場所「立て壊される古い家」である「菊池邸建設予定地」と小林さんがすでに出会っていたのでした。そして、今回の展覧会の運びとなりました。こんなにも早くやりたい事が出来るなんて本当に驚き!!!

場所を提供してくださった菊池さんありがとうございます。
また、菊池さんと出会うきっかけとなった保科さん、小林さんありがとうございます。



トークイベント/おまけ日記後編


さて、四月某日のことですが、私たちはトークイベントの提案の当日すぐに、北大工学部の新校舎を見学させて頂きました。思わず「サヴォア邸?」と想いたくなるほどの建物が、私たちを出迎えてくれました。中も吹き抜けの開放的な空間で、図面を引いたり、建築模型を作成する週末の学生さんたちの姿を見たり、お話を聞いたり、とても楽しい時間でした。



社会人入学するなら工学部や都市設計など建築系の学部がいいなと本気で想っているわたくしミウラにとっては、垂涎の学舎でありました。菊池さん、ご案内ありがとうございました、またぜひ♪




トークイベント/おまけ日記前編

ハイサイお元気ですかミウラです。

5月30日(土)はお客様も交えての楽しい展覧会準備とあいなりました(その情報はまた別の日記で改めて~♪)。本日アップした関連トークイベント「菊池邸建設予定地とは何なのか?」、のポスターも印刷中です。


A1のロール紙を使っており、せっせとカッティングも頑張っております。





2009年5月30日土曜日

関連トークイベントのお知らせ

612621関連トークイベント
「菊池邸建設予定地とは何なのか?」


今後取り壊され、菊池邸建設予定地となる古い家(旧WanderArchi建築 設計事務所)で、アーティストが展覧会を行うのは何故か。4名の作家が 読み取った身体感覚と共に、このシチュエーションでしか果たせない 表現形態や場に介在するとはどういうことかを考えます。

日 時:2009年6月12日(金) 18:30開場 / 19:00 ~ 21:00
会場:北海道大学工学部建築都市スタジオ棟 MUTSUMIホール
   札幌市北区北13条西8丁目(公共交通機関をご利用ください)
パネリスト:小林麻美/ミウラアヤ/安藤文絵/真砂雅喜
参 加 費: 無料
(会場の都合上、入場制限を行う場合もございますので予めご了承ください)
協力:北海道大学工学部建築都市コース

詳しい情報、地図などが欲しい方は、 こちらからダウンロードしてご利用ください。 http://ammm.jp/kikuchitei_fl.pdf


2009年5月27日水曜日

5月27日会場レポート

ミウラです
今年は本当に暖かいです、もう20時過ぎなのに。まだ北海道の5月末なのに。会場の風景も色々と変わってきていますよ、6月最初の週末はOpen Studio(公開制作)もありますので、展覧会前の雰囲気も観察しつつ、ぜひ遊びにいらして下さい!
ほら、ちょっと壁の雰囲気がかわってきたんです。真っ白だった壁も...。


会場近所には、というか、地下鉄東豊線「東区役所前」駅4番出口横に、昔ながらの市場のような建物があります。えー、そうね円山市場のような、個人経営の衣料、美容、食材店など同居した2フロアの建物。3階から上はおそらくマンションかと思われます。そこにおいしいローストチキンレッグを売っている肉屋さんがあって、今日は買いに行ったのですが、残念ながらゲットできませんでした。1本400円なんですが、お店にあるガラス張りオーブンでローストしてくれるので、できたてが食せます。
さー、みんなもOpen Studioや展覧会会期中にいらしてトライしてみてください。前もって言ってもらえたら注文しときます!!(笑)

あれ? 何の話でしたっけ。
あ、展覧会の準備です、そうなんです、みんなそれぞれのテンポでやっております。


以上、現場からミウラがお送り致しました。



2009年5月24日日曜日

DM完成しました

どーもこんばんは、ミウラです。


本日5月24日(日)午前中に「612621」DMが到着しました。今後随時配布や発送して参ります!


さて。最近は当然、準備のため展覧会場に通っているんですが、通りに面して大きな窓ガラスがある建物のため、通行人の方々は気になる訳です。「何になるんだろう」「何の店になるんだろう」と行き過ぎる途中で窓のなかをチラリ。さらに、室内のテーブルと椅子の配置が窓越しに外を向いているから、打合せなんかすると4〜5名の大人が全員外を眺めている姿勢になっちゃって、さらに驚かせちゃうのです、うふふ。無理もないです。だってこんな感じ。



「どうも〜」

にこやかに笑いかけてもかえって怖がらせてしまうだけなので、本日完成したばかりのDMを玄関に貼ってきました。

「来月にここで展覧会しますよー」

というお知らせをすることで、ご近所の方々や通行人の皆さまに安心して頂きたくて。来て欲しくって。



私もそろそろ具体的な制作段階へ移行します。



※参加作家4名、皆様のご来場を心待ちにしながら制作に励んでおりますが、DM発送もメールも、重複する可能性も届かない可能性もあります、この場をかりて先にお詫び申し上げます。なお、未着や発送希望のお申出、ご質問連絡などは、左記問合せメールアドレスへのご連絡をお願い致します。




コミンカ という 言葉


小林です。
今日は、展覧会のレポートというより、興味深かったことメモです。
今回、会場を指し示す言葉として「古民家」という言葉を使って
いたことについて、菊池さんからこんなご指摘をうけました。
(一説によると、との前置き付きで)

「古民家」とは、人が生まれ、そして死んで送り出した家
という意味を持っているとのこと。
菊池さんも、この説に賛同されている、ということで、
私たちの会場に対する共通認識も、「古い家」と改めました。
人が大切にしている感覚に触れられる瞬間は刺激的です。

制作公開になる日まで、カウントダウン!で少々焦り気味ですが、
アトリエで引き篭もって制作をするのが、常の私には良い刺激がたくさん。
人が交差する場所で何かをするというのは、こういう面白さがあるのね。
その度、筆が止まる。

写真は会場の玄関口の写真。
建物の裾からタンポポが力強く咲いています。可愛い…。


5月23日


着々と作品が進んでいるふり

今日は全員集合!

東京のお見上げの東京バナナバームと新琴似ロールのお店のパウンドケーキにグレープフルーツをつまみながら、必要事項を決めつついろんな話に横道行ったり来たり。楽しい時間はどんどんあっという間に過ぎて行く〜。

最後は北大でのレクチャーのタイトルを...。
う〜〜〜ん。
いろんな案が飛び出してくるけどどれもしっくりこない。
芸術新潮のような言葉しか出てこない自分が
非常に笑えてしかも情けない。トホホ。

最後はamちゃんが決めの一手を出してくれ
て、みんなで「それだ〜!」っとすっきり。
さすがです。

え?何になったかって?
それはちゃんとチラシが出来たらまた皆さんに報告しま〜す。


2009年5月21日木曜日

四月某日#02 「会場でのポットラックパーティー」編




またまた4月某日の夜。

この日は、会場にて菊池ご夫妻とともに参加者などが集まり、ポットラックパーティー(持ち寄りのパーティー)を行いました。会場を知るということもありましたが、会場という空間を作品化させて頂くにあたり、オーナー夫妻への、アーティストとしての自己紹介の意味をこめたものです。

共通の知人である建築家の方、美術批評家の方なども交えて、楽しい話題、おいしい食事の数々とワイン、あっという間に時間でしたが、ここから各々の作品プラン制作や場所決めがスタートするのでした。とりあえず、このパーティー時点は既に、展覧会名と会期など大枠の概要をアーティスト側で決定させて頂いていたのですが(笑)。




2009年5月19日火曜日

四月某日#01 「会場下見」編

4月に入ったばかりのある日、本展参加者4名は会場であるWanderArchi建築設計事務所にお邪魔しました。下見です。
会場は元々個人宅、喫茶店を経て現在建築設計事務所となっています。この建物を取り壊し、今後改めて個人宅建設予定地とするまでの期間に、とりもなおさず建築構造的な実験としてまず内壁を真っ白に塗ったオーナーの菊池さん。そして、何かできないだろうかとの氏の投げかけに集まったのが、この4人なわけです。

夕方、灯りのともった風景がなんとも云えず人を引き寄せる魅力に溢れた外観なんです。


2階で初顔合わせを兼ねた打合せ中、奥は事務所です。


通りに面した窓が大きいわりに、日中は室内からのほうが、よく外の景色を観賞することができるのも、なんだか嬉しい。


階段上り口から見えるスペースは質感が異なっていて美しいし。

そして、これが「民家」であったことを物語る空間!見てくださいこの、この...コレ。




展覧会「612621」告知


612621
Asami Kobayashi | Aya Miura | Fumie Ando | Masayoshi Masago

過去に文房具店、喫茶店や個人宅であった異色の五角形空間、WanderArchi建築設計事務所にて、作家4名による展覧会を開催いたします。今夏以降取り壊され、再び個人宅建設予定地となる場所での、限られた時間の展覧会。喫茶店であったことを思わせるエントランスや大きな窓ガラス、その後、家として住まわれた生活感と記憶が漂う建物2階の和室や間取り等がそのまま残る「アートスペース(ギャラリー・美術館)ではない」会場で、異なる経歴をもつ小林麻美・ミウラアヤ・安藤文絵・真砂雅喜それぞれが場所を意識しながら、内壁をキャンバスに直接描き込んだり、空間を生かした作品制作を行います。

■開催概要
展覧会名: 612621
作  家: 小林麻美 / ミウラアヤ / 安藤文絵 / 真砂雅喜
日  時: 2009年6月12日(金)~6月21日(日) 13:00~19:00
会  場: WanderArchi建築設計事務所(菊池邸建設予定地)
      札幌市東区北11条東6丁目1-23 (Google Map)
      *最寄り駅:地下鉄東豊線「東区役所前」4番出口より徒歩3分
企画・主催:612621 project
協   賛:菊池夫妻(WanderArchi建築設計事務所+会社員)

■インフォメーション  
Open Studio(公開制作): 6月5日(金)~6月7日(日) 13:00~19:00  
Painting Project Ⅱ(ワークショップ by 安藤文絵):6月13日(土)13:00~17:00  
Opening Party:6月13日(土) 18:00~  
※持ち寄り形式のアットホームなパーティーにしましょう。  
※期間中、出展作家らによるレクチャーを予定しております、会場・時間・ゲストなど決定次第、ブログにて詳細掲載いたします。

■詳細 612621ブログ:http://612621.blogspot.com
■問合せ 612621@gmail.com


■作家プロフィール
小林麻美(こばやし あさみ)
日常風景や物事を独自の視点で捉える印象的な油彩表現が特長。覗いているようで、覗かれているかのような不思議な感覚に包まれる金網越しの風景を描いた絵画では、シェル美術賞2008では入賞。


ミウラアヤ(みうら あや)
企業広報を経た後、ライターとしてアート・音楽・デザイン記事執筆やTVCMプレスリリース制作、2007年にammm設立。等身大描写によるエッセイや詩・小説をwebやギャラリー等で発表。


安藤文絵(あんどう ふみえ)
ワークショップや絵画作品制作を中心に作家活動をしてきたが、2009年2月にNYで初の参加型アートプロジェクト「Bed Project」を発表し、帰国後の4月には札幌にて滞在報告個展を1ヶ月間開催。


真砂雅喜(まさご まさよし)
人間の身体感覚を研ぎ澄ます暗闇に等身大の映像を投影したインスタレーション作品を、美術館を中心に発表。2000年にはディレクターとしてartcore japan(英語サイト)を主宰、2007年にammm設立