ミウラです。
麻美ちゃんに触発されて少し自分のことを書いてみたくなりました。現代美術の展覧会というフィールドで、私は初めてテキスト作品を制作し、展示します。
本業であるライターという仕事は、基本的に、クライアントがいて、取材対象が決まっていて、どんな情報が必要とされているかも予め決まっています。「意外性」が求められ、喜ばれる展開もありますがそれだって許容範囲の設けられている場合が多いものです。例えば、TVCMの撮影現場取材で「エピソード」の紹介をする際も「絶対こっちの方が面白いネタだなあ」と想ってもそうはいきません(笑)。私のなかだけに永遠にしまわれ続けるのかもしれないこともあります。
ただ、そうした制約のあるテキストでも、「どう書くか」によって書きたいことを書くことができると私は想っています。それが面白さのひとつであり責任だと感じるからです。
さて、話が「書く」ことから「読む」ことへ飛びます。
雑誌やブログ、携帯メールなど「読むテキスト」は様々ですが、特に本を読むというのはとてもプライベートで、より自主的な行為だと想います。今回は、そのことを考えて作品づくりに取り組んでいます。視覚的なアプローチを極力避けて、「本を読む」という日常に潜む個人的行為を、この会場で、書き手であり読み手である自分なりに考えて向きあってみたいと想っています。
書くことを仕事にしてから、より「書く」「読む」ことにストレートに向きあえるようになってきました。これはとても幸せなことだと感じます。